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映画研究 「シェーン」のこと その6「開拓農民と牧畜業者の争い」
- 2010.11.30 Tuesday
- 映画
- 06:20
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- -
- by tadaom
6.開拓農民と牧畜業者の争い
この映画の本題は牧畜業者と開拓農民の争いである。
実はアメリカ西部開拓史の中で牧畜業者と開拓農民の争いは根が深い。この件を少し詳しくみてみよう。
そのためにはアメリカ合衆国の西部開拓史でも最大の悲劇のひとつに数えられているジョソン郡戦争について語らなければならないであろう。ちなみにジョソン郡はワイオミング州の北東部にあり、人口は約8000人で群庁所在地はバッファロー。
(上ワイオミング州 下ジョンソン郡)
この事件は、1892年4月にワイオミング州ジョソン郡で起こった。実は「シェーン」も舞台はワイオミング州である。ただし「シェーン」の時代設定は特にないが、南北戦争(1861〜1865年)が終わってまだそれほど経っていないような会話もあリ、南北戦争後数年と思われるが、ジョンソン郡戦争は25年くらい後のことである。
当時のワイオミング州の大規模な牧場主たちは、畜産業の標準化を目的にしたワイオミング・ストック・グロウワーズワース協会を組織した。この組織は直ぐに牛泥棒に対抗する自警団として成長し、殺し屋がテキサスから雇われた。「シェーン」でもシャイアンから殺し屋を呼び寄せるシーンがあるが、当時、開拓農民とのもめ事を解決する方法の常套手段だったのだろう。そして50人からの遠征隊が組まれ、ジョソン郡の主に東欧からの新移民の小規模農場主らを殺害し、包囲した。その二日後、電報を受けたベンジャミン・ハリソン大統領は当地に第六騎兵隊を派遣して武力介入して告発を不起訴とすることで事件は解決した。この事件はアメリカ開拓史の中でタブー視されている。なおこの事件をモティーフにして作られたマイケル・チミノ監督の「天国の門」という映画は発表当時から不人気で失敗作と言われており、私もその後観たが暗い映画で印象の薄い映画だったので最近もう一度見直したが、やはり前の印象と変わらず、チミノ監督が何を言いたいのか良く分からない映画だった。(下の写真は、マイケル・チミノ監督の「天国の門」)
映画研究 「シェーン」のこと その5「シェーン」のスターたち
- 2010.11.28 Sunday
- 絵画
- 08:07
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- -
- by tadaom
5.「シェーン」のスターたち
此処でこの映画「シェーン」に出演したスター達の話をしてみたい。
先ず、シェーンのアラン・ラッドを見てみよう。
彼は1913年生まれのアメリカの俳優で1964年に51歳で没している。長い下積みを経て「シェーン」スターとなり、その後も西部劇で主役を演じ1950年代から60年代初頭にかけてハリウッドを代表するスターとなったが、当時のほかの大スターに比べると作品数も少なく、どちらかというと地味な存在だった。60年代以降は人気にかげりをみせ自身もノイローゼになり、最後は睡眠薬の多様が原因で亡くなった。私が観た彼の作品は、「シェーン」のほかは、「サンチャゴ」(1956年)、ソフィア・ローレンと共演した「島の女」(1957年)、「誇り高き反逆者」(1958年)、「大いなる野望」(1964年)である。
次にスターレットの女房役にジーン・アーサーをみてみよう。
彼女は1900年にアメリカニューヨーク州生まれで1991年に没している。モデルをきっかけに映画デビュー。1930年代後半に人気スターになる。都会的なキャリアウーマン役を得意とし、特にフランク・キャプラ監督作品でその個性を発揮した。私が観た彼女の作品は、ゲーリー・クーパーと共演した「平原児」(1937)、ケーリー・グラントと共演した「コンドル」(1939年)、「歴史は夜作られる」(1937年)、マレーネ・ディートリッヒと共演した「異国の出来事」(1948年)などである。開拓農民の妻役を好演した「シェーン」が最後の映画出演となった。
不気味な殺し屋役のジャック・パランスをみてみよう。
チェコの映画ポスターの紹介 その4「真夜中のカーボーイ」
- 2010.11.26 Friday
- 映画
- 08:36
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- -
- by tadaom
写真は上がチェコの映画ポスター。下が我々がよく知っている映画ポスター。
映画評論 「シェーン」のこと その4「フィルム・ノワールと言う見方」
- 2010.11.26 Friday
- 映画
- 06:09
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- -
- by tadaom
4.フィルム・ノワールという見方
フィルム・ノワールの映画ということは、フランスやアメリカの映画でギャングものの映画のようにアウトローの人間たちの切ったはったの生き様を描いた映画で、代表的なのはジャン・ギャバンやハンフリー・ボガートの映画であろう。ひとつの見方として、「シェーン」はその類(たぐい)の映画であると言うのである。こういう見方に対して大方はいやそんなことはない。この映画はアメリカの開拓時代の牧畜業者と開拓農民の争いを描いた牧歌的で真面目な映画とみるのが正しい見方だろう。その見方には私も全く異論はないが、ちょっと見方を変えると違った見方が出来る。ポイントは、最後の決着をつけたのがガンマン同士だからである。つまり牧畜業者と開拓農民は本人同士が争わず、アウトローであるガンマン同士の代理戦争で終わっているということである。餓えの写真は、真ん中が殺し屋ウィルソン(ジャック・パランス)。
チェコの映画ポスターの紹介 その4「鳥」
- 2010.11.25 Thursday
- 絵画
- 08:22
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- by tadaom
写真の上がチェコの「鳥」の映画ポスター、下が我々がよく知っている「鳥」の映画ポスター。
映画研究西部劇「シェーン」のこと その3「少年の眼から見た”昔、西部にはこういう人がいた”」
- 2010.11.25 Thursday
- 映画
- 07:40
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- by tadaom
3.少年の眼から見た「昔、西部にはこういう人がいた」
「シェーン」は原作者が昔、開拓農民の子供だった時代の英雄を懐かしんで物語っているわけだが、映画もそうなっており、子役のブランドン・デ・ワイルドが少年を見事に演じていた。彼のシェーンに憧れる気持ちが良く出ている。シェーンの拳銃とガンベルトを眩しそうに目を凝らして見るシーン、シェーンの早撃ちを驚きと感動で見るシーン、そしてみんなで街に買い物に行った店の酒場でシェーンとスターレットがライカー一家の連中との殴り合いを見るシーン、ラストでシェーンが殺し屋ウィルソンを早撃ちで一撃のもとに倒すシーンを目撃する少年の感激は、観ていて良く伝わってきた。この映画は少年の眼から見た英雄の物語であるが、もう一人の主人公はまさにジョーイ少年である。
チェコの映画ポスターの紹介 その3「アポロンの地獄」
- 2010.11.24 Wednesday
- 映画
- 08:23
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- by tadaom
「アポロンの地獄」 1967年イタリア映画 ピエル・パオロ・パゾリーニ監督。
写真の上がチェコの映画ポスターで下が我々が知っている映画のポスター。
映画研究 「シェーン」のこと その2「原作はジャック・シェーファーの小説」
- 2010.11.24 Wednesday
- 映画
- 06:24
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- -
- by tadaom
2.原作はジャック・シェーファーの小説
原作はジャック・シェーファーの小説だが早川書房で出版されており昔読んだことがある。今回、西部劇の講演のため資料として手に入れようと思ってネットで調べてみたらもうすでに絶版になっていた。図書館になら在るかも知れないと思って地元の目黒にある図書館を全部調べてみたがない。友達に聞いたら都内の図書館当たったら、と言うのでネットで調べたら在った!中央図書館に在った。早速連絡をつけて確認したら貸し出し中だという。返却予定日以降に電話してみたらまだ返って着てないという。それで諦めた。
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